ワイン好きな方に

for WINE LOVERS

 

ワイン好きにおススメするヴィンテージ日本酒の魅力

ワインの味わいの骨格を成すものが酸味、甘味、タンニンだとしたら、ヴィンテージ日本酒の味わいの骨格を成すものは甘味と旨味、余韻の長さでしょう。

多くのワインは8℃~14℃程度と少し冷えた状態で飲むことが多いですが、ヴィンテージ日本酒はまず常温でお試しください。

熟成によるカラメルやドライフルーツのような甘味、米が持つどこまでも膨らむような旨味、響き続ける琴の音のような余韻の長さ。米と酵母、そして年月とが織りなすその味わいは、ワインとは一味異なる彩を食卓に添えてくれるでしょう。

生ハム等のアペタイザーと一緒に口に含めば舌を滑らかにし、食後酒にいただけばデザートのような甘味と満足感を演出してくれます。

もちろん食中酒としても。ローストビーフなどの肉の旨味をしっかりと味わえるようなお料理との相性を是非お試しください。

甘く芳醇な香りと少量でも存在感の確かな味わいは、チーズやドライフルーツといった一般的にワインとの相性が良いとされる料理にも合い、ワインがお好きな方にとって新たな癒しとなるひと時を約束してくれます。

 

記事/河田安津子氏
Nagareyama Wine Club主宰 https://www.atsuko-kawada.com/
日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート フードコーディネーター
ワインと食に関するイベント企画、飲食店・企業向けメニュー開発、ワイン講座、ワインと食のスタイリング・撮影、コラム執筆等活動中
2021 1月 27 — 古昔の美酒

自分へのご褒美に

for ME


琥珀色の日本酒を自分に贈る。


長年勤めた会社を退職し、まさか自分が独立する日がくるなんて。
一から育ててくれた上司、負けたくないと思った同僚、放っておけない後輩の顔が次々に浮かんでくる。
これからは何をするにも自分で決断していかなくてはいけない。
誰のせいにもできない。選ばなかった道に未練がないかと聞かれたら「ない」とは言い切れない。守られてきた分だけ不安は大きい。
だけど、それ以上に自分に期待をしたい。

そんな自分を激励するかのように古酒を購入した。

10年以上長期熟成された、希少な日本酒の古酒。


「時を飲む」―。
過去に区切りをつけ、また長い年月の一歩を踏み出す今の自分に必要なお酒に思えた。


自宅に届き、箱を開けた瞬間心が躍る。
特別なギフトを思わせる高級感漂うボトルには、シリアルナンバーが刻まれている。
そのまま飾っておきたくなるほどおしゃれな見た目は、自分で購入していなければ日本酒だと気づかなかっただろう。
おしゃれなことはもちろん、予想外な展開や珍しさはいくつになっても楽しく嬉しい。

早速グラスを用意する。
トクトクと注がれる音、グラスの中できらきら揺れる琥珀色、そしてグラスから広がる甘い香りに期待が膨らむ。


飲んだのは「1995 葵鶴」。
20年以上も熟成された、寒暖差の大きい土地で造られたこのプレミアムな古酒。


口に含み、まろやかなのにスパイシーな風味に驚く。
葵鶴を飲みながら、過去に区切りをつける必要はないのかも、と思いなおす。
今までの自分を抱えながら、また一歩歩みを進める。これまでよりも、深い一歩を、軽やかに。


自分への少し背伸びをしたギフト。


飲みながら自分の明日を楽しみにしていることに気づいた。

2020 9月 10 — ProjectCompany